新規事業が絶対に必要な2つの理由
2016.03.01
新規事業をやるべきか、やらないべきかという議論の余地はなく、企業が生き残っていくために、新規事業は必ず行わなければいけないことです。
新規事業とは、言葉の通り、新しく事業を行うことです。では一体なぜ、企業が生き残っていくためには、新規事業をやる必要があるのでしょうか?
恐らく、新規事業の必要性について正しく深く理解している人は、そう多くはないと思います。
新規事業の必要性について正しく理解していなければ、新規事業への取組み方が中途半端になってしまうどころか、新規事業に取り組むこと自体が、全く意味のないものになってしまいます。
新規事業の必要性については、以下本文を読んで頂ければ、深く理解して頂けると思います。
なお新規事業のプロセスについては、「新規事業立ち上げまでの際に知っておきたい5つのステップ」にて、詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
1.新規事業とは“企業の宿命”
ベンチャー、中小零細企業、大企業に関係なく、新規事業に取り組まなければなりません。
なぜなら、企業を取り巻く経済環境(消費者、ライバル会社、景気動向など)は、常に刻一刻と変化しており、”常に成長進化しなければ生き残れないから”です。
仮に現在の既存事業が順調だとしても、未来永劫その状況が続くということは、まずあり得ません。
既存事業の商品やサービス自体がお客さんに飽きられる、競合の出現や代替品の出現などによって、状況が大きく変わるからです。
優良かつ継続して成功している企業ほど、常に新製品や新サービスをリリースし、新規事業にチャレンジしていることがわかります。
その根底にあるのは、”常に成長進化しなければ生き残れないから”という考えを理解しているからであり、
それが企業の宿命であると確信しているからだと思います。
2.新規事業が必要な2つの理由
新規事業が必要なのは、次に挙げる2つの理由に集約されます。
- 経営の安定化に繋がるため(前向きな要素の方がいいですね!)
- 優秀な人材育成のため
それぞれ、詳しく説明していきます。
2-1. 経営の安定化に繋がるため
今現在の既存事業の他に、事業収益がある方が経営の安定化に繋がります。
勿論、既存事業をさらに伸ばしていくという考えや戦略もありますが、既存事業の他に事業収益があれば、なおさら経営の安定化に繋がる状況になるのは間違いありません。
ですから、1つの事業よりも複数の事業からの収益が見込める状況の方が、経営全般から見ても健全であると言えます。
ただし、企業規模や経営のリソースのバランスを考えて新規事業をすすめることが重要です。
例えば、経営のリソースが少ない小規模の会社が複数の事業を一気にやると経営のリソースが分散してしまい全ての事業が中途半端になってしまうことがありますし、現在やっている事業が上手くいっていないのにもかかわらず、次から次へと新規事業をやるということがないようにすべきです。
2-2.優秀な人材育成のため
新規事業を行う一番の目的は、事業収益ではなく、社員の人材育成が目的であると考えている会社もあります。
勿論、社員の人材育成がその会社の発展に繋がっていくということを経営者やその会社が深く理解しているのは言うまでもないことですが
さて、社内の人材を将来の経営幹部候補や事業部長レベルの人材にしていくには、実践の場で予算も人員も預けて、1から事業を立ち上げていく以外にないということなのだと思います。
ただ、こういう試みができるのは、ある程度予算的にも時間的にも経営のリソースが潤沢な企業規模に限られるとは思います。
しかしながら、最初から経営のリソースが潤沢な企業というのはないわけであり、そのような体制を目指して事業展開して実践してきたからこそ、優良企業になり得たのだと思います。
その優良企業になり得た事例を2つ紹介します。
「サイバーエージェント」と「リクルート」です。
この2社は共同で、新規事業を創出する「FUSION(フュージョン)」というプロジェクトを行っています(2016年1月より)。
ケース1.サイバーエージェント「CAJJプログラム」
「CAJJプログラム」というのは、サイバーエージェント(CyberAgent)事業(Jigyo)人材(Jinzai)育成プログラムの略称で、事業育成と人材育成を目的としたプログラムとなっています。
利益規模やサービス規模などにより事業のフェーズを10段階に分け、昇格や撤退基準を明確にすることで事業を拡大させる仕組みを構築しています。
また、少数の社員に立ち上げから運営までを全面的に事業を任せることで、経営者・ビジネスリーダーの育成も図っています。
ケース2.リクルート「New RING」
1990年にはイノベーション(新規事業)案件に特化し「New RING」としてリニューアル。
そして、2012年10月よりリクルートグループとして共通して取組む新規事業制度として、ITを前提とした新ビジネスモデル開発を目的とした「New RING ‐Recruit Ventures‐」となりました。
現在に至るまで毎年開催され、この取組みから「ゼクシィ」「ホットペッパー」「R25」「受験サプリ」など様々な新規事業が生まれるとともに、リクルートの新規事業創造や事業変革への一躍を担ってきたシステムです。
ただ、私個人的には、リクルートの方が取り組んでいる事業や人材の質の面から見て、サイバーエージェントを大きくリードしていると見ています。
理由は、単に企業規模が違うからというだけではなく、リクルートが取り組んでいる新規事業やその後に成功している事業(世の中に大きな価値を提供)、リクルートを退職してその後独立して経営者になっている人材の活躍を見ても明らかに差があるからです。
また、サイバーエージェントの社長は、以前から昔のソニーやホンダのような「21世紀を代表する会社を創る」という掛け声があります。
しかしながら、実際にやっている事業は他の会社でもやっていることの二番煎じだったりすることが多く見受けられ(メディア、広告、ゲームが柱)、未だにトップ自らのメッセージの実現性には程遠い状況であることも、21世紀を代表する会社と言っても良いリクルートと比較した際の大きな差であるかもしれません。
リクルートのコーポレートメッセージは「まだ、ここにない、出会い。」
社長のあいさつでも「まだ、ここにない、出会い。」を提供していくことを目指します。と、あります。
リクルートロゴのデザインモチーフ、それは架け橋(opportunity bridge)です。
私たちは、
“人”と”機会”をつなぐ架け橋となる。
“いま”と”未来”をつなぐ架け橋となる。
“ここ”と”世界”をつなぐ架け橋となる。
そんなメッセージを込めています。
リクルートのHPより
つまり、未来を創造していこうという強い想いがあります。
そもそも、新規事業というのは、その会社にとって新しい事業(既に世の中にある他社がやっている)なのか、世の中にとって新規事業(世の中にない、他社がやっていない)なのかによっても、大きく取り組み方や世間の評価が違ってきます。
少なくとも、21世紀を代表する会社になるのであれば、まだ世の中になく圧倒的な価値を提供し時代を変えるほどの革新的な事業をやる必要があると思います。
3.新規事業が絶対に必要な2つの理由のまとめ
企業が生き残っていくには、新規事業というのは、やるべきか、やらないべきかという議論の余地はなく間違いなく、やらなければならないということです。
当然ながら、新規事業をやるからには成功させなければなりませんが、どのような目的、ビジネスアイデア、人材でやっていくのかによっても、新規事業の成否は大きく変わりますので、十分な検討が必要だと思います。
新規事業をやるべきか、やらないべきかという議論の余地はなく、企業が生き残っていくために、新規事業は必ず行わなければいけないことです。
新規事業とは、言葉の通り、新しく事業を行うことです。では一体なぜ、企業が生き残っていくためには、新規事業をやる必要があるのでしょうか?
恐らく、新規事業の必要性について正しく深く理解している人は、そう多くはないと思います。
新規事業の必要性について正しく理解していなければ、新規事業への取組み方が中途半端になってしまうどころか、新規事業に取り組むこと自体が、全く意味のないものになってしまいます。
新規事業の必要性については、以下本文を読んで頂ければ、深く理解して頂けると思います。
なお新規事業のプロセスについては、「新規事業立ち上げまでの際に知っておきたい5つのステップ」にて、詳しく説明しているので是非お読み頂きたいと思います。
1.新規事業とは“企業の宿命”
ベンチャー、中小零細企業、大企業に関係なく、新規事業に取り組まなければなりません。
なぜなら、企業を取り巻く経済環境(消費者、ライバル会社、景気動向など)は、常に刻一刻と変化しており、”常に成長進化しなければ生き残れないから”です。
仮に現在の既存事業が順調だとしても、未来永劫その状況が続くということは、まずあり得ません。
既存事業の商品やサービス自体がお客さんに飽きられる、競合の出現や代替品の出現などによって、状況が大きく変わるからです。
優良かつ継続して成功している企業ほど、常に新製品や新サービスをリリースし、新規事業にチャレンジしていることがわかります。
その根底にあるのは、”常に成長進化しなければ生き残れないから”という考えを理解しているからであり、
それが企業の宿命であると確信しているからだと思います。
2.新規事業が必要な2つの理由
新規事業が必要なのは、次に挙げる2つの理由に集約されます。
- 経営の安定化に繋がるため(前向きな要素の方がいいですね!)
- 優秀な人材育成のため
それぞれ、詳しく説明していきます。
2-1. 経営の安定化に繋がるため
今現在の既存事業の他に、事業収益がある方が経営の安定化に繋がります。
勿論、既存事業をさらに伸ばしていくという考えや戦略もありますが、既存事業の他に事業収益があれば、なおさら経営の安定化に繋がる状況になるのは間違いありません。
ですから、1つの事業よりも複数の事業からの収益が見込める状況の方が、経営全般から見ても健全であると言えます。
ただし、企業規模や経営のリソースのバランスを考えて新規事業をすすめることが重要です。
例えば、経営のリソースが少ない小規模の会社が複数の事業を一気にやると経営のリソースが分散してしまい全ての事業が中途半端になってしまうことがありますし、現在やっている事業が上手くいっていないのにもかかわらず、次から次へと新規事業をやるということがないようにすべきです。
2-2.優秀な人材育成のため
新規事業を行う一番の目的は、事業収益ではなく、社員の人材育成が目的であると考えている会社もあります。
勿論、社員の人材育成がその会社の発展に繋がっていくということを経営者やその会社が深く理解しているのは言うまでもないことですが
さて、社内の人材を将来の経営幹部候補や事業部長レベルの人材にしていくには、実践の場で予算も人員も預けて、1から事業を立ち上げていく以外にないということなのだと思います。
ただ、こういう試みができるのは、ある程度予算的にも時間的にも経営のリソースが潤沢な企業規模に限られるとは思います。
しかしながら、最初から経営のリソースが潤沢な企業というのはないわけであり、そのような体制を目指して事業展開して実践してきたからこそ、優良企業になり得たのだと思います。
その優良企業になり得た事例を2つ紹介します。
「サイバーエージェント」と「リクルート」です。
この2社は共同で、新規事業を創出する「FUSION(フュージョン)」というプロジェクトを行っています(2016年1月より)。
ケース1.サイバーエージェント「CAJJプログラム」
「CAJJプログラム」というのは、サイバーエージェント(CyberAgent)事業(Jigyo)人材(Jinzai)育成プログラムの略称で、事業育成と人材育成を目的としたプログラムとなっています。
利益規模やサービス規模などにより事業のフェーズを10段階に分け、昇格や撤退基準を明確にすることで事業を拡大させる仕組みを構築しています。
また、少数の社員に立ち上げから運営までを全面的に事業を任せることで、経営者・ビジネスリーダーの育成も図っています。
ケース2.リクルート「New RING」
1990年にはイノベーション(新規事業)案件に特化し「New RING」としてリニューアル。
そして、2012年10月よりリクルートグループとして共通して取組む新規事業制度として、ITを前提とした新ビジネスモデル開発を目的とした「New RING ‐Recruit Ventures‐」となりました。
現在に至るまで毎年開催され、この取組みから「ゼクシィ」「ホットペッパー」「R25」「受験サプリ」など様々な新規事業が生まれるとともに、リクルートの新規事業創造や事業変革への一躍を担ってきたシステムです。
ただ、私個人的には、リクルートの方が取り組んでいる事業や人材の質の面から見て、サイバーエージェントを大きくリードしていると見ています。
理由は、単に企業規模が違うからというだけではなく、リクルートが取り組んでいる新規事業やその後に成功している事業(世の中に大きな価値を提供)、リクルートを退職してその後独立して経営者になっている人材の活躍を見ても明らかに差があるからです。
また、サイバーエージェントの社長は、以前から昔のソニーやホンダのような「21世紀を代表する会社を創る」という掛け声があります。
しかしながら、実際にやっている事業は他の会社でもやっていることの二番煎じだったりすることが多く見受けられ(メディア、広告、ゲームが柱)、未だにトップ自らのメッセージの実現性には程遠い状況であることも、21世紀を代表する会社と言っても良いリクルートと比較した際の大きな差であるかもしれません。
リクルートのコーポレートメッセージは「まだ、ここにない、出会い。」
社長のあいさつでも「まだ、ここにない、出会い。」を提供していくことを目指します。と、あります。
リクルートロゴのデザインモチーフ、それは架け橋(opportunity bridge)です。
私たちは、
“人”と”機会”をつなぐ架け橋となる。
“いま”と”未来”をつなぐ架け橋となる。
“ここ”と”世界”をつなぐ架け橋となる。
そんなメッセージを込めています。リクルートのHPより
つまり、未来を創造していこうという強い想いがあります。
そもそも、新規事業というのは、その会社にとって新しい事業(既に世の中にある他社がやっている)なのか、世の中にとって新規事業(世の中にない、他社がやっていない)なのかによっても、大きく取り組み方や世間の評価が違ってきます。
少なくとも、21世紀を代表する会社になるのであれば、まだ世の中になく圧倒的な価値を提供し時代を変えるほどの革新的な事業をやる必要があると思います。
3.新規事業が絶対に必要な2つの理由のまとめ
企業が生き残っていくには、新規事業というのは、やるべきか、やらないべきかという議論の余地はなく間違いなく、やらなければならないということです。
当然ながら、新規事業をやるからには成功させなければなりませんが、どのような目的、ビジネスアイデア、人材でやっていくのかによっても、新規事業の成否は大きく変わりますので、十分な検討が必要だと思います。