マネージ・コンサルティングのコラム
【商社ポジション経営】と一休.com
高級ホテルに特化した予約サイトで大成功の一休.com。
高級ホテルでも、空き部屋にしているくらいなら、多少値段を下げてでも空室をなくしたいというニーズと
高級ホテルに少しでもリーズナブルに宿泊したいというお客さんのニーズを見事にマッチさせているビジネスモデル。
一休.com創業者の森正文さんのコメントがあるので、紹介したい。
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あるパーティで会った三菱商事の副社長に、
「おたくの会社は、どうやって儲けているんですか?」と、
学生も聞かないような質問をしました。その人は顔色も変えずに、
「人と麻薬と武器以外はすべてを売り買いして収益を上げる」と言いました。
すごい会社だと思いながら、「待てよ」と、そのとき思いついたんです。
どう頑張ってもこの人たちと僕は取引できっこない。
でも、相手のブランド力を利用すれば、
その会社はスーパーブランドに変わるんじゃないかと。
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注目してほしいのは、
「相手のブランドを利用すれば、その会社はスーパーブランドに変わるんじゃないかと。」という一節です。
正にその通りであり、そのポジショニングが、私が提唱している「商社ポジション(経営)」のエッセンスがあります。
私が提唱している商社ポジション経営とは
「経営リソースが少なくても元請ポジションをとれる経営 (価格を決められ、自らが中心となった展開ができる)」
実は、一休.com 自体は、創業当初は何らのリソースもないわけです。
勿論、最大の経営リソースは、一休.comの創業者である森正文さんの先見力、行動力、実現力があったからこそ実現したビジネスモデルだというのは、間違いありませんが。
繰り返しますが、それ以外は、当初は何らのリソースがなかったのが実態。
今でこそホームページには、ラグジュアリーな高級ホテルの情報が並んでいるので、成功のポイントを見失ってしまいがちですが一休.com は、自社以外の他人の力(ブランド)を利用し、一休.com自体の力(ブランド)をつけていっているということ。
そこに成功の大きなポイントがあると、私は分析しています。
今回は、一休.comを例に挙げましたが、何も商社ポジション経営を取り入れて、一休.com ほどの規模や成功を目指そうということではありません。
そうではなく、規模や成功の度合いに目を奪われるのではなく、その会社の本当の成功の要因である本質は、どこにあるのか?
ということを突き詰めていくと、成功の秘訣というのが見えてきます。
商社ポジション経営には、以下の2つの要素がある。
・経営リソースが少なくても元請けポジションをとれる
・価格を決められ、自らが中心となった事業展開ができる
つまり、価格設定権を握れるから高収益会社になれる。